認知症

物忘れに関して、当分の期間 下記に限定致します。
完全予約制
受け入れ対象者
ご本人、ご家族が当院かかりつけの方
旧浅羽町地区に居住していてご家族と同居している方
旧浅羽町地区内のケアマネージャーなどから事前相談のあった方

上記非該当、運転免許に関する診断希望の方、お急ぎの方は
もの忘れ外来を開設している医療機関をご利用下さい。
袋井市:聖隷袋井病院
磐田市:えいせい脳外科クリニック
掛川市:吉岡クリニック
他院からの紹介状がある方でも、当日診察は出来ません。
一度、ご家族が来院されて、問診票・診療申込書を受け取り、事前の確認事項が全て出来た上で、予約が可能となります。
1か月以内に悪化している場合は、早急な処置が必要になることが予測されますので、最初から聖隷袋井病院や総合病院など検査機器が充実した医療機関を受診して下さい。他院の治療に関するセカンドオピニオンは受け付けておりませんので、かかりつけの先生と良く相談して下さい。
物忘れには、病気に伴う物忘れ(=認知症)と加齢に伴う物忘れがあります。

ご家族が認知症かどうか迷う時の確認法

1.日付を聞いてみましょう
2.最近のニュースを聞いてみましょう
3.10時10分の時計の絵を描いてもらいましょう。

どれか一つでもできない場合は認知症の可能性があります。
特に時計の絵を描いてもらって上手く書けない場合は、認知症の可能性が高いです。

認知症の原因は様々で、正しい診断をすることで正しい治療ができます。早期発見・早期治療が推奨されており、年のせいと片付けない様にしましょう。ご本人・ご家族の生活がかかっています。

認知症の受診先

かかりつけ医がある場合は、まずはかかりつけの先生に相談してみるといいと思います。

精神安定剤・高血圧などのお薬の副作用として、物忘れ(認知症)が出てくることがあります。

しっかりとした先生であれば、ちゃんとお話しを聞いてくれるでしょうし、お薬が原因として疑われる場合はお薬を変更してくれると思います。

認知症の診察・検査

1.問診

認知症の症状の出方、今までの病気、飲んでいる薬など様々な情報から認知症の原因・進行具合などを確認するために行います。

2.診察

一般的な診察から始まり、神経内科医のため、脳梗塞やパーキンソン病など様々な病気が潜んでいないかも含めて診察をします。

3.認知機能検査(物忘れ検査)

外来では、長谷川式簡易知能評価スケール・時計描画検査を利用することが多く、”うつ状態”が潜んでいないかを調べるために、SDS:Self-rating Depression Scale(自己評価式抑うつ性尺度)を併用します。

ここまでで、大抵の臨床的な診断がつきます。
認知症は、単純に一つの原因で起こるだけではなく、複数の原因で起こることもあり、まずは一番困っている症状からの対応を優先していきます。

4.画像検査

CTもしくは状況によってMRIを追加します。

5.血液検査

診察の結果で血液検査を追加します。

認知症の治療の目的

1.治す
2.進行をゆっくりさせる(将来的な家族介護負担を軽くする)
3.認知症に伴う症状を緩和させる
4.家族の対応法を学んでもらう
5.家族に社会制度を学んでもらう

認知症の治療の実際

1.原因治療

認知症の原因として

・薬に伴うもの:内服薬の確認・変更
・内科的な病気によるもの:内科的治療
・ケガによるもの:手術を検討
・神経が変性することによるもの:認知症の治療薬

2.認知症の症状緩和

①基本症状(物忘れ)

認知症の治療薬として日本で認可されていたものは、ドネぺジルのみでしたが、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンが順次保険で使える様になってきました。
内服することによって、劇的(昔と変わりないまで良くなる)に効果が認められるのは3%程度、ほとんどの方は、認知症の進行をゆっくりさせるために使っています。庭の掃除をするようになったとか、やる気や元気が出てくると効果が見られている証拠です。

ガランタミン、リバスチグミンは、ドネペジルと同じ様な作用機序(効く場所が同じ)ですが、それぞれに特徴があり、使い分ける必要があります。
実際には、ガランタミンは非常に使いにくい(対象となる患者さんが少なく、他の薬でも代用可能)なため、ほとんど使っていないのが実情です。

メマンチンはドネペジルと機序が異なるため、併用することができます。

認知症の薬全般に言えることですが、様々な副作用が出ることがあり、導入時を含めて、副作用を出しにくくする工夫が必要です。

②周辺症状(物忘れに伴って出る症状)

被害妄想(ひがいもうそう)・徘徊(はいかい)・介護への抵抗などなど

治療方法としては

a.家族指導
ご本人に対してどの様に対応することがよいのか、社会資源なども含めて説明します。

b.内服薬
漢方薬・抗うつ剤・抗精神病薬などを使って治療します。
認知症の方のほとんどは、体の動きが悪くなってきていますので、体の動きが悪くなりにくい・転びにくい薬を選んで
処方しています。

認知症治療は、家族の生活も関わることであり、信頼のおける先生と共に歩んでいく姿勢が必要になります。

認知症で知っておくと良い社会資源

名称 設置場所 役割
認知症疾患医療センター
政令指定都市
①認知症疾患に対する鑑別診断と初期対応 ②行動・心理症状と身体合併症に対する急性期対応 ③専門医療相談地域連携拠点機能として ④認知症疾患医療連携協議会の設置・運営 ⑤研修
認知症サポート医
政令指定都市
①認知症の人の医療・介護に関わるかかりつけ医や介護専門職に対するサポート ②地域包括支援センターを中心とした多職種の連携づくり ③かかりつけ医認知症対応力向上研修の講師や住民等への啓発であり、地域での医療と医療、医療と介護の連携の推進役
地域包括支援センター 市区町村 地域における、認知症支援体制のなかで、医療と介護をつなぐ重要な拠点。社会福祉、主任介護支援員、保健師または地域ケアの経験がある介護師の3職種がチームとなる。①総合相談・支援業務 ②権利擁護業務 ③包括的・継続的ケアマネジメント支援業務 ④予防給付・介護予防マネジメント業務 等
認知症地域支援推進員 市区町村 認知症の行政施策の旗振り役としての役割を持ち、市町村において、地域包括支援センターや市町村の担当課に配置され、専門職等が充てられている。主な役割は、医療と介護の連携強化や、地域の実情に応じて認知症の人やその家族を支援する事業の推進等を担っている。医療と介護の橋渡し役。
認知症カフェ 市区町村 介護保険サービスに並んで、地域において認知症の人やその家族を支える拠点・場。認知症の人やその家族が、地域の人や専門家と相互に情報を共有し、お互いを理解する場。地域の実情に応じて展開され、人員基準や、運営基準等はないが、認知症診療、介護・日常生活サービスに並び、相互共有・理解の場、地域とのつながり・参加が可能。
認知症と人と家族の会 全都道府県に支部 1980年に設立された、認知症の人と家族、介護者のためのセルフヘルプグループで全国47都道府県に支部がある。

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