突然意識を失って反応がなくなる、けいれんするなどの「てんかん発作」を繰り返し起こす病気です。症状は一時的なことが多く、発作がないときは他の人と変わらない社会生活を送ることができます。患者数は、人口の0.5~1%くらいで、幅広い年齢にみられる病気です。3歳以下で発病することが多いですが、高齢者になると脳血管障害などを原因とするてんかんの発病が増えます。
【原因】
原因不明の「特発性てんかん」が6割を占めます。頭部外傷、脳卒中、脳腫瘍、アルツハイマー病などが原因で、脳が障害を受けたときに起こる「症候性てんかん」が4割程度です。
通常、脳の神経は、興奮と抑制がバランスよく働いています。しかし興奮が強くなり過ぎると、脳の電気信号が乱れて発作が起こります。
【症状】
発作はさまざまな症状がありますが、脳全体の発作と、脳の一部の発作の2つに分けられます。症状は一時的なことが多く、発作後は元通りの状態に回復します。
脳全体の発作:意識を失い応答が無くなる、倒れて全身がけいれんする など
脳の一部の発作:急に動作を止めボーっとして呼びかけても応答がなくなる、片方の手足や顔のつっぱり、けいれん、しびれ など
【検査】
発作が起きたときの症状や持続時間、頻度などについて詳しく問診し、神経学的な診察を行います。発作の様子を録画しておくと診断に非常に役立ちます。
さらに、専門の医療機関で脳波検査を行い、てんかんの種類を調べます。また、頭部MRI・CT検査、血液検査などを行い、てんかん以外の病気による発作ではないかを調べます。
【治療】
主に抗てんかん薬の内服をします。抗てんかん薬は、てんかん発作を起こさないように、脳の過剰な興奮を抑える働きをもっており、発作を起こす可能性がある間は続けて飲む必要があります。
どのような発作に効果があるかは種類によって異なるため、発作のタイプを考慮し、年齢や性別、合併症や他の薬との飲み合わせなどを考えて、患者さんにあった薬を選んでいきます。抗てんかん薬は、症状に効果がある血中濃度と、副作用が出やすくなる血中濃度が分かっています。そのため、定期的に薬の血中濃度を調べて、薬の量が適正かをチェックします。
睡眠不足や精神的なストレス、過労、飲酒、薬の飲み忘れは、発作を起こす引き金となるため注意が必要です。
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