蜂毒アレルギーはスズメバチ、アシナガバチなどの毒液によって起こるアレルギー反応です。蜂毒アレルギーについて知り、もしものときのために備えておきましょう!
蜂毒アレルギーって?
かゆみや発赤のような皮膚炎、吐き気や寒気などの症状があらわれます。蜂毒の中にはアレルギー反応を起こす成分が含まれていて、場合によっては意識を失うなどの危険な症状に至ることもあります。
蜂の被害は夏から秋にかけて多く、蜂刺されによる患者数は8月がピークとなります。
<原因となる蜂>
人を刺す習性があるのは、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類です。
営林署や林業、農業、ゴルフ場などではスズメバチやアシナガバチ、養蜂業やイチゴ農家ではミツバチに刺される場合が多いといわれています。
<症状>
◇アナフィラキシーの症状が出てから心停止まで約15分
蜂毒は反応時間が早く、蜂に刺されてから約15分以内には症状が出てくる場合が多いです。症状が早くあらわれるほど重症になることが多く、アナフィラキシーショックを起こす場合もあります。さらに、アナフィラキシーの症状が出てから心停止までの時間は15分という報告があるため、速やかな治療が必要です。
もしも、医療機関から離れた山間部などで蜂に刺された場合は、救急車の到着までに時間がかかることが多いため、命を守る対策が重要です。
◇症状はさまざま
蜂毒にアレルギーがなければ、刺されたところに軽い痛みやかゆみ、腫れなどが起こり、数日程度で消えていきます。
しかし、蜂毒にアレルギーがあると、刺された人の約1~2割が全身のじんましんなどの皮膚症状や、嘔吐、浮腫、呼吸困難などのアナフィラキシーを引き起こすといわれています。そのうち、数%は意識障害や急な血圧低下によるアナフィラキシーショックを起こすとされ、命に危険がおよぶリスクが高まります。
◇何回か刺されると危ない?
アレルギー症状の多くは、体の中に蜂毒に対する抗体ができた後、2回目以降に蜂毒が入ったとき、もともと体の中にあるヒスタミンなどの作用によって、全身症状が引き起こされます。
しかし、蜂毒にもこのヒスタミンが少量含まれています。そのため、多量の蜂毒が同時に体の中に入った場合、初めての蜂刺されでもアレルギーのような症状を起こすこともあります。
蜂刺されで死に至るのは、何度か刺された場合よりも、初めて刺された場合の方が多いという報告もあります。
対策
<注意が必要なのは?>
蜂毒アレルギーの患者さんの約半数は蜂刺されのリスクが高い職業についています。
林野事業関係者、電気設備業者、ゴルフ場、養蜂業、農業などの職種の方は、特に注意が必要です。また、職場に限らず、スポーツやレジャーなどで山間部に出かける場合でも、蜂毒によるアナフィラキシーのリスクは高くなります。
蜂に刺されないためには、蜂の習性を知ること、蜂に近づかないことが大切です。
「近づかない、触らない」が基本
蜂が相手を襲うのは、巣が攻撃されて危険を感じたときです。毒針を持つ蜂でも、こちらから刺激しなければ、刺されることはまずありません。
「蜂に近づかない」、「巣に近づかない」、「蜂や巣に触れない」ことが大切です。
<自宅で注意したいこと>
洗濯物や布団を取り込むときや、靴の中に蜂がひそんでいないかよくチェックしてみましょう。アシナガバチやミツバチは民家やその周辺に巣をつくる習性があり、日当たりのよい洗濯物などにとまっていることがあります。
蜂が家の中に入ってきたときは、明るい方の窓や玄関のドアを開け、自然に外に出るのを待ちましょう。蜂を刺激してはいけません。
蜂は巣を守る本能が強く、巣を攻撃されると興奮します。むやみに近づいたり、棒でつついて落としたり、殺虫スプレーを使うことは危険なので絶対に避けましょう。
<アウトドアや山で注意したいこと>
蜂がいるような場所に近寄らないことが一番ですが、屋外作業や山歩きなど、蜂がいそうな場所に行くときは、服装を工夫しましょう。
蜂は黒っぽい色に向かって攻撃したり、甘い匂いに誘われたりする習性があります。それらを避ける服装や持ち物が望ましいでしょう。また、顔や首、腕、足など、肌が見える部分が真っ先に狙われるので、できるだけ肌を覆う服装を心がけましょう。
<蜂に刺されないために>
☑服装は白っぽい色や明るい色の長袖を選び、できるだけ肌を出さない。
☑黒いバッグ、黒いカメラなど、黒いものは持たない。
☑花柄の服装、花柄のバッグなども避ける。
☑甘い香りのする香水や整髪料はつけない。
<蜂に攻撃されたら>
蜂が向かってきたときに、手で振り払ったり大声をあげたりすると、かえって蜂を刺激します。目を閉じて、顔を下向き加減にし、身を低くしてじっとしていましょう。
興奮した蜂に刺激されて、他の蜂が集団で襲ってくる場合もあります。走らないよう、速やかにその場から離れてください。
蜂に刺されたときは、直ちにお近くの医療機関を受診し、医師による適切な処置・治療を受けるようにしてください。
<アナフィラキシーに備えましょう>
過去に蜂に刺されたり、アナフィラキシーの経験がある場合は、アドレナリンを自分で注射する自己注射薬(アナフィラキシー補助治療剤)を常に携帯しましょう。
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