主に足の血管が動脈硬化によって狭くなったり詰まったりすることで、血液の流れが悪くなる病気です。足に酸素や栄養を十分に送ることができなくなるため、さまざまな障害が現れます。
動脈硬化は全身同時に進むため、脳や心臓の動脈硬化が原因の狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などと合併しやすい病気です。

【原因】

血管の内側が傷つき、そこに悪玉コレステロールが入り込むと、血管にこぶができます。このように血管が狭く硬くなることを動脈硬化といいます。閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化が主に足の血管に起こり、血流が悪くなります。動脈硬化は、加齢や遺伝、喫煙、運動不足や、脂質異常症・高血圧症・糖尿病などの生活習慣病が深く関わっています。

【症状】

初めは、手足がしびれて青白く冷たいような感じになります。また、歩いていると足の痛みや疲れが強くなり、足をひきずるようになりますが、10分ほど休むと痛みが改善してまた歩けるようになります(間欠性跛行:かんけつせいはこう)。

さらに進行すると、安静にしていても足が痛むようになり、深爪や小さな傷も治りにくくなります。小さな傷をきっかけに潰瘍ができたり、壊死に至ることもあります。

【検査】

問診により、上記のような症状の有無を確認します。その後、足を直接観察して、太ももの付け根や膝の後ろ、足の甲やくるぶしの下側の動脈が触れるかどうか調べます。また、両足と両腕の血圧を同時に測定して下肢の動脈の詰まり具合を調べるABI検査を行います。

それらの検査で異常があれば、CT検査、MRA検査、下肢動脈エコー検査などで詳しく調べます。

【治療】

進行を遅らせるために禁煙は大原則です。

歩くことを中心とした運動療法と、血液をサラサラにする薬(抗血小板薬)や血管を広げる薬(血管拡張薬)で血流を良くし、症状の改善につなげます。

それでも改善しなければ、専門の医療機関へ紹介します。状態によっては、カテーテルで狭くなった動脈を広げる治療や、硬くなった血管の内膜を取り除く手術、バイパス手術を行うこともあります。潰瘍や壊死があれば、下肢を切断しなくてはいけないときもあります。

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