「何となく胃がもたれる、みぞおちに痛みがある、食事のときにすぐにお腹がいっぱいになってしまう・・・」
このような症状で悩んでいませんか?
数か月以上続く腹部症状がありながら、その原因となる特定の病変がないものを「機能性ディスペプシア(FD)」といいます。あまり聞き慣れない病名かもしれませんが、実は人口の約15%に見られる比較的ありふれた病気なのです。
FDは、内視鏡検査をしても、胃潰瘍や胃がんなどのはっきり分かる病気が見つかりません。
【症状】
食後のもたれ感、早期飽満感、心窩部(みぞおちのあたり)の痛みや焼ける感じなどの腹部症状が数か月間続きます。
【原因】
原因は様々なものが考えられます。下に示すような原因が1つあるいはいくつか重なることで、胃腸の機能が低下したり刺激に敏感になったりして症状が現れると考えられています。
・ストレス ・不眠 ・菌やウイルス ・感染(ピロリ菌やサルモネラ菌など)
・喫煙 ・飲酒 ・遺伝 ・胃の形 など
症状に対して「何か大きな病気なのではないか」と不安に感じることで、さらに症状を悪化させてしまうこともあります。
【治療】
症状に合わせた薬を処方します。
胃もたれ、飽満感 ➡ 胃の動きを促す薬
心窩部痛、灼熱感 ➡ 胃酸の分泌を抑える薬
悩みやストレス、不安などの心理的な負担や気分の不調が原因と考えられる場合は、抗うつ薬、抗不安薬を用いることもあります。
また、上腹部の症状に六君子湯という漢方薬が効果的なこともあります。
生活習慣やストレスも影響しているので、食生活の改善、ストレスの軽減も必要です。
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