お腹の痛みは、軽いものから手術が必要となるものまで幅広く、原因もさまざまです。胃腸の病気のほか、婦人科の病気、尿路の病気なども考えられます。患者さんの症状について詳しく問診しながら、原因を探っていきます。

【診察のポイント】

<問診>

・発症様式(いつから痛いか、突然痛くなったのか、だんだん痛くなったのか)

痛み始めてから数秒~数分でピークになった場合は、血管や消化管が「詰まった」「破れた」「捻じれた」ことが考えられます。

①詰まった:心筋梗塞、尿管結石、腸間膜動脈閉塞、胆石 など
②破れた:大動脈解離、消化管穿孔(消化管に穴が開く)など
③捻じれた:S状結腸、卵巣、精巣の捻じれ(捻転(ねんてん)といいます)

 

・痛む部位

・どんな痛みか
ころげまわる痛み、ときどきさし込む痛み、シクシクと続く痛み など

・時間経過はどうか
だんだん悪化しているか、良くなってきているのか、ピークはいつか、波があるのか など

・どんなときに悪化するか、楽になるか

食事や排便、姿勢、歩行、深呼吸などにより、痛みは変わるか

一般的に、胃潰瘍、膵炎、胆石発作は食後に痛み、十二指腸潰瘍では食後に楽になることが多いです。また、膵炎の場合はうずくまった姿勢で痛みが楽になります。

・腹痛以外の症状は?

吐き気、嘔吐、排便はどうか(下痢、血便、便秘)、排尿はどうか(血尿、頻尿、残尿感)、発熱、お腹の張り、黄疸、不正出血、血圧の低下はあるか、食事や水分はとれるか など

<触診>

医師がお腹を触ったり、軽くたたいたりします。
痛みの部位や、押したときに痛むか、手を放したときに痛むか、腫れはあるか、便がたまっているかなどを調べます。

【一般的な原因】

・感染性腸炎

ウイルスや細菌の感染が原因で、主な症状は腹痛と下痢です。発熱や嘔吐、血便などを認めることもあります。いわゆる食中毒も感染性腸炎の一つです。海外旅行中や帰国後に発症した場合、特殊な微生物による感染性腸炎(細菌性赤痢、コレラなど)の可能性があるため注意が必要です。

・過敏性腸症候群

検査では異常はありませんが、お腹の痛みや不快感、下痢や便秘などが数か月続きます。ストレスで悪化することもあります。排便で症状が和らぐのが特徴です。

その他にも次のような病気で腹痛が起こることがあります。

急性虫垂炎 (みぞおちが痛い、歩くと響く)

機能性ディスペプシア(胃もたれ、みぞおちが焼けるように痛む)

胃・十二指腸潰瘍 (胃もたれや嘔吐、食欲不振がある)

逆流性食道炎 (胸やけ、食べた物がこみ上げてくる)

・膀胱炎(頻尿や排尿時の痛み、残尿感がある)

<危ない腹痛>

危険なサインとしては次のような症状があげられます。当てはまる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

腹痛が起きてからすぐに痛みがピークになる
吐血・下血や黄疸、発熱などの症状がある
腹痛が起きてから便が出ない
歩くと響く
体重が減っている
痛みで眠れない

診察をした上で、必要な検査をして原因を見つけ、治療を進めていきます。

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