「夕方になると足がむくんでいる」「朝起きたらまぶたが腫れている」という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。一晩寝れば治まる程度ならあまり心配はいりませんが、なかなか治らない場合には、何かの病気が隠れている場合もあります。
【むくみの原因は?】
①生活習慣
・長時間同じ姿勢でいる
体の中で最もむくみやすいのは足です。重力の関係で水分がたまりやすいからです。長時間立ったまま、座ったままでいると、血液やリンパ液のめぐりが悪くなり、むくみの原因になります。
・運動不足、足の筋力の低下
ふくらはぎの筋肉は、血液を心臓に戻すポンプの役割があります。そのため、足の筋肉が衰えると、血液がうまく心臓に送れなくなります。
その他にも、睡眠不足、偏った食事(塩分・アルコールの摂り過ぎ、ビタミン・ミネラル・たんぱく質の不足)、過度なダイエット、冷えなどが原因となります。
②病気によるもの
むくみの中には危険な病気が潜んでいる場合もあります。下記のような症状が出た場合は病院を受診しましょう。
むくみが何日も続いている
坂道や階段で息が切れる、疲れやすい、動悸がする
足の痛みがある
片側の足だけのむくみ
急に体重が増えた
尿の出が悪い
・心臓の病気
心臓のポンプの働きが低下すると、全身へ血液を上手に送ることができず血液のめぐりが悪くなり、むくみが現れます。
・肝臓の病気
肝臓が作るたんぱく質の一つのアルブミンという物質は、血液の水分を一定に保つ役割があります。肝臓の働きが悪くなって、アルブミンの量が少なくなるとむくみが現れます。
・腎臓の病気
腎臓は、体の水分を調節し、老廃物を尿として排泄します。腎臓の働きが悪くなると、余分な水分を体の外に出せなくなります。また、血液中のたんぱく質が尿へ漏れ出てしまうようになると、血液中のアルブミンが少なくなり、体の水分の調節がうまくいかなくなります。
・下肢(かし)静脈(じょうみゃく)瘤(りゅう)
足の静脈には、心臓に向かった血液が逆流して足に戻ることを防ぐための弁がついています。下肢静脈瘤は、この弁が壊れて血液が足にたまりやすくなる病気です。足の血管がこぶのようにボコボコとふくらむのが特徴です。
・甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンが不足し、寒がりになる、皮膚が乾燥する、汗をかきにくくなる、便秘、むくみ、体重増加、声がかすれるなどの症状が出る病気です。指で押しても跡が残らないようなむくみが起こるのも特徴です。
・深部(しんぶ)静脈(じょうみゃく)血栓症(けっせんしょう)(エコノミークラス症候群)
長い時間バスや飛行機に乗ったときや、寝たきり状態など、同じ姿勢でじっとしていて水分が不足しているときは要注意です。足の静脈に血のかたまり(血栓)ができ、血管が塞がれてしまい、詰まった方の足だけむくみが起きることがあります。このようなときは、すぐに医療機関を受診してください。
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